わたしのような生音中毒者や、同じ公演をリピートして観たい人々の強い味方。それが、新国立劇場のZ席券。なんと1,650円でオペラやバレエ等が観られます。ただ、このZ席、「舞台のほとんどが見えないお席」という条件付き。これってどれくらい見えないものなの?と不安な方や、Z席を取るコツを知りたい方向けに、自分の経験から記事を書きました。
Z席とは
Z席とは、新国立劇場で販売される当日券の1種で、「舞台のほとんどが見えない」代わりに、非常に安価な価格設定となっています。主な特徴は以下のとおり。
実際はどのくらい舞台が見えるの?
以下、実際にオペラパレスのZ席に座ってみた際の見え方・聴こえ方の所感です。あいにく中劇場・小劇場のZ席は試したことがありません……。
結論から言うと、どの席もそれなりにステージが見えるので安心してチケットを購入してください。ただ、どの席もステージから遠いので、オペラグラス(双眼鏡)は持って行った方が良いです。また、思ったより見えなくても、なんせ1,650円。試してみる価値はあると思います。
ちなみに、座席選択は不可(Z席か音のみZ席かは選べますが)なので、どの席になるかは購入してみてのお楽しみ。わたしはなぜか4階バルコニー席が多いです。
4階 バルコニー席
会場では背もたれに背中をつけて鑑賞するようにアナウンスがありますが、4階バルコニーは皆さんやや背を浮かして鑑賞しているので、自分もそれに倣っています。とは言っても、隣の方の邪魔にならない程度ですが……。それでも舞台の手前がやや見切れます(舞台の約1/5程度)が、ストーリーを追うのにはまったく支障ありません。オペラの字幕も問題なく見えます。
オーケストラピットのほぼ真上+舞台が近いということもあり、音楽も非常に明快で迫力十分。指揮者の様子も見ることが出来ます。
写真を見れば分かるとおり、かなり高い位置の座席で、通路も狭いため、高所恐怖症の方にはやや辛いかもしれません。自分は特に高所恐怖症ではありませんが、それでも人の前を通るときは毎度すこしひやっとしています……。
4階 後方席
見え方としては、公式サイトの見え方のページにある、4階2列46番から見たステージに近いです。上からのぞき込むような角度のため、ややステージの手前が見切れますが、Z席の中では見切れが少ない方だと思います。手前の見切れも、ストーリーを追う分には全く支障なし。こんな値段でここにいて良いのかしら、と最初はびびってしまうほどです。
オーケストラピットは全く見えませんが、立ち上ってくる音は意外に豊かで、歌手の声も全く問題無く聞こえます。
3階 バルコニー席(音のみ席)
オペラ公演でのみ発売される、わずか4席の『音のみ席』。「舞台が完全に見えません」と書かれているので、どんなものかと思われる方も多いかと思いますが、安心してください。結果、舞台が完全に見えない、ということはありませんでした!舞台の半分ほどは見えますし、字幕も問題なく読めます。見えない半分側で重要なことが起きているとすこし困りますが、あらすじを読んでおけば、ストーリーを追う分には問題ありません。
それよりも、この席の醍醐味は、何といっても音の臨場感と迫力。オーケストラピットのほぼ真上に位置するため、生音中毒者には堪らない音響が楽しめます。舞台が近いので、歌手の声量もかなり迫力あり。指揮者の様子もよく見えるので、指揮者を見たい方はこの音のみ席を狙うのが良いですね。わたしは生音を聴ければよし、というタイプなので、音のみZ席がだいすきです。バレエでも発売してくれば良いのですがねえ。
そしてもうひとつ、このブロックの嬉しいポイントがあります。それは、このブロックは2席しかない上に、隣の座席と互い違いになっているので、とても落ち着いて鑑賞できるところ。自席の横に鞄を置けるスペースも広いのもよいです。
Z席争奪戦 攻略方法
それでは、実際にZ席を取ってみます。42席しかないので、人気公演では争奪戦となります。
この戦いを勝ち抜くのに必要なのは、事前準備と正確な時刻を刻む時計、そして安定した回線、あとはほんのすこしの運(多いな)。ちなみに、自分の勝率は8割5分程度です。気合いを入れて臨んだ絶対に取りたい公演については今のところ負けなし。取れたら良いな~ぐらいでやっていると負けることが多いです……。また、他の席種が完売している公演や土日の公演はなかなか厳しい戦いになります。
基本的なことがほとんどですが、自分が気を付けているポイントは以下のとおりです。
購入方法
まず購入方法。セブンイレブンの端末でも購入できますが、その時間に先客がいたらその時点で試合終了なので、わたしはいつもWEBでチケットを購入しています。ということで、以下はWEBでチケットを購入する方法についてお話ししていきます。なお、パソコンでもスマートフォンでもどちらでもよいですが、すこしでもサクサク動く端末の方が良いです。我が家パソコンはやや古いので、わたしはいつもスマートフォンで購入しています。
事前準備
当然のことですが、コンマ何秒の争いになるため、事前に新国立劇場Webボックスオフィスの会員登録は済ませておきます。初めてこのサイトでチケットを購入する方は、試しに発売中のチケットを途中まで購入を進めてみて、感覚を掴んでおくことをおすすめします。
サイトが混むこともあるので、遅くとも発売開始(朝10時)の5分前には、Z席販売ページを開いておきましょう。
IDとパスワードの確認もお忘れなく。セキュリティ的にはあまり推奨されないとは思いますが、これらの情報をブラウザに保存しておく(自動で入力されるようにしておく)のも手です。たとえば、Firefoxなら、下記のページをご参照ください。
そして経験上、非常に重要なのが安定した回線。特にスマートフォンで購入するにあたり、自分の場合はですが、ここで勝敗が分かれています。自宅の安定した無線LANで挑戦した場合は勝率10割!ですが、出先で、しかも電波のあまり良くない場所でチャレンジしたときは負けることも多いです。
あとは出来れば、正確な時計があると良いです。わたしは電波時計を愛用しています。秒単位で信頼できる時計がない場合は、下記のようなインターネット時報を利用しましょう。
いざ勝負の時
事前準備が万端になったら、あとは10時直前にページを更新。これはその時の回線速度、端末の処理スピード、サイトの込み具合によるので何とも言えないですが、大体10時まで1秒をきったところで、ページの更新をしています。
発売が開始されると、Z席の横に○印が表示されるので、可及的速やかにリンクをクリックします。ここでサーバーが混んでいると、次のページが表示されるまで時間がかかることもありますが、経験上、戻るボタンを押したりせず、じっと待っていた方が成功率が高いです。
座席を選択後、またログイン画面が表示されるので、ここも急ぎ入力します。冒頭で書いた「すこしの運」というのはこの部分。この認証文字が読み取りやすいものが表示されるかどうかでコンマの争いに影響してくるので、ここはもう祈るしかないです。万が一数字が重なっていて読み取りにくかった場合は、すぐに「他の画像を表示する」という部分をクリック。無理して読みとるよりはやいです。
無事に再ログインできると、上の画像のような購入画面が表示されます。ここまで来たら、あとは10分以内に落ち着いて、表示どおりの操作をすれば購入完了となります。
また、ここではじめて座席が分かります。どうしても気に入らない座席だった場合は、最初からやり直すことで別の座席を購入できるかもしれません。しかし、だいたい人気公演は10時01分の時点で完売しているため、やるのであれば、別の端末かブラウザから発売ページを確認し、まだ発売されていることを確認してからにしましょう。そうでないと、結局何も買えませんでした、ということになりかねません。
諦めるにはまだはやい!戻りのチケットを狙え!!!
超人気公演だと、10時に更新した時点で、上の画像のように完売していることもあります。ですが!ここで諦めるのはまだ早い。通称「戻り」のチケットを狙いましょう。
なんらかの理由(接続切れや、途中で購入するのをやめた等)で最後まで購入処理が完了しなかったチケットが、再度販売されることがあります。ということで、完売の画面が表示されたあとも諦めずにページ更新を続けましょう。自分の経験では、発売開始数分後~10分後ぐらいに戻りのチケットを見つけたことがあります。たまに、1時間後ぐらいになぜか戻りのチケットが出ていることもありました。ということで、行きたい公演であれば、諦めずにこまめにリトライです!
以上、新国立劇場Z席の見え方とチケット購入方法でした。参考になれば幸いです!
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