指揮者や奏者の動き・表情を細かくみたいとき、チケット代節約のために後方席を取ったとき、推しのネクタイの柄をみたいときなど、あったら便利な双眼鏡(オペラグラス)。ライブや観劇、スポーツ観戦向けの双眼鏡おすすめ記事は沢山あれど、クラシックコンサートに特化した双眼鏡の記事は意外とすくない。ということで書きました、クラシックコンサート用双眼鏡の記事を。クラシックコンサート用に双眼鏡を探している方の参考になれば幸いです!
双眼鏡(オペラグラス)を選ぶポイント
双眼鏡を選ぶポイントは色々ありますが、おおまかには下記の5点かと思います。
以下では、具体的にクラシックコンサートを聴くという目的なら、という観点で説明していきます。
倍率
倍率は、双眼鏡で覗いた像がどれだけ大きく見えるかを示す値。考え方としては、たとえば、倍率が10倍の双眼鏡の場合は、100m離れたところにあるものが、肉眼で10mの距離から見るのと同じ大きさに見えるということ。
倍率が高くなるほど、見える大きさも大きくなりますが、過度に高い倍率だと視野が狭くなり、かえって目標物が探しにくくなったり、手ぶれにもつながります。また、倍率が高くなると明るさは落ちます。高い倍率のもので、明るさも取ろうとするとかなりお値段の張るもの(数万円以上)になってしまいます。シーンに合った適切な倍率を選ぶことが非常に重要となります。
クラシックコンサートでは、スポーツ観戦やライブのように、100Mを越えるとんでもなく広いアリーナで鑑賞する、というシーンはまず考えられません。通常のクラシック用のホールであれば、どんなにステージまでの距離があっても、約50Mほどです。
たとえば、サントリーホールの3階最後列は約40M。6倍の双眼鏡を使えば、1階6列の見え方と同じ、ということになります。十分ですよね。
ということで、クラシックコンサート鑑賞には、6倍~8倍あれば十分。実際、自分は東京芸術劇場の3階最後列でよく聴きますが、6倍の双眼鏡で十分細部まで観ることが出来ています。さすがにカフスボタンの模様までは見えませんが、表情や細かい指のうごきまでしっかり見えます。
オペラやバレエを観るにしても、それほど条件は変わりません。たとえば、新国立劇場のオペラパレスは、ステージから4階最後列まで約40Mほど。自分はよくZ席のお世話になっており、4階の後方端っこに座ることもありますが、それでも6倍の双眼鏡で物足りなさを感じたことはありません。むしろ、ステージの広範囲が程よく見えるので、ちょうど良い倍率だと感じています。
明るさ
明るさは、ひとみ径とうんたらかんたら、と双眼鏡選びのサイトによく書かれていますが、すこし難しいので割愛します。おさえておくべきポイントは、双眼鏡スペックの「明るさ」は数値が高いほど明るいということ。これだけ覚えておけばとりあえず大丈夫です。
いくらステージの上は明るいとはいえ、晴天の屋外に比べると、やはり室内は暗いです。最低でも明るさは9.6は欲しいところです。わたしは12.3のものを使用していますが、感覚としては裸眼と同じ程度の明るさに感じます。安価な8倍モデルに多い6.8のものも試してみましたが、眩しいくらいに明るい家電量販店の店舗内でもすこし薄暗く感じました。
重量
クラシックコンサートでは、観劇と異なり、ずっと双眼鏡を持っているということはほとんどありませんが、やはり軽量なものがおすすめ。重いと手ぶれにもつながります。個人差はありますが、自分は、だいたい200gを越えるとやや重いように感じます。
デザイン
これは好みによるところが非常に大きいです。会場は暗いので、どんなデザインでもあまり目立つということはないように思います。無難なのは黒やシルバーですね。会場で周りの方が使っている双眼鏡も黒かシルバー系が多いです。特に黒は視界の中で動いていてもあまり気にならないので、こだわりがなければ黒がおすすめ。
実際の見え方
と、ここまでうだうだ書いてきて申し訳ないのですが、結局は実際に試してみてどう見えるか、ということが一番重要です。わたしも色々とネットで調べて、スペック的にはこれかな~と思っていたものがあったのですが、実際に試してみたら視界が狭い!となり、別のものに決めました。ネットで見ている分にはコンパクトでかわいいと思っていたのですがね……。ちなみに、店員さんに色々とお話しを伺いながら選んだのですが、やはり人によって見え方には差があるそうです。
ほぼ同じようなスペックの製品でも、実際の見え方はかなり違うものもあるので、やっぱりお店で試してみるのが一番。身近なところだと、家電量販店やホームセンターで試すことができます。自分はヨドバシカメラとビッグカメラで試してきました。
おすすめの双眼鏡スペックはこれだ!
とはいえ、このコロナ禍で品物に触れるのに抵抗感があるという方も多いかと思います。ということで、わたしの独断と偏見でおすすめの双眼鏡スペックと、これならあまり当たり外れが少ないだろうと思われる製品をご紹介しておきます。
おすすめ双眼鏡のスペックまとめ
これまで書いてきたことのまとめになりますが、おすすめの双眼鏡スペックは下記のとおり。
独断と偏見によるおすすめ双眼鏡
ご予算にもよると思いますが、低予算(一万円以下)で、それなりの明るさと軽さを実現するのであれば、やはり6倍がバランス良し。実際に試してみて、視界の広さや明るさ、重量ともに十分と感じたのは、Vixenというメーカーの双眼鏡 コールマン H6×21 エッジライン。東京芸術劇場の3階後方席や、新国立劇場オペラハウスの4階後方席でも愛用しています。
また、同じようなスペック、見え方だったケンコーのウルトラビューH6×21DHもおすすめ。わたしは黒の方が目立たないと思いVixenにしましたが、ここは好みで決めて良いと思います。
最後に、難しいことは嫌だなあ、という方にはフリーフォーカス(ピント合わせ不要)の双眼鏡もおすすめしておきます。ミザールテックのCB-101Sという機種を試してみましたが、たしかに自動でピントが合いましたし、コンパクトで視界もよく使いやすかったです。価格も3,000円台で安価なので、ピント合わせが心配な方はこの機種を試してみるのも良いと思います。
おまけ:都内大規模コンサートホールのステージから最後列までの距離
おまけで、ヨドバシカメラに掲示されている会場・座席別おすすめ倍率図の、東京芸術劇場版とサントリーホール版を作ってみました。ヨドバシカメラさんの基準でいくと、どちらの会場も最後列でも8倍以下の双眼鏡で問題なさそうです。素人の計算なので、あくまでも参考までにどうぞ。。。
NHKホールについては、下記サイトに画像があります。
コメント