コンサートホールの座席 知りうる限りの見え方聞こえ方などをつめこみました~首都圏大ホール編~ 

音楽
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当サイトで圧倒的にアクセス数が多いのは、サントリーホールと東京芸術劇場、オペラシティの座席についての記事。皆さん、やっぱりどの座席がよいのか迷いますよね……。ということで、行ったことのあるホールについて、そのホールの印象と、座ったことがあるブロックの所感をまとめました。徐々に自分の好みが分かってきたので、全ブロックを試さなくても納得のいく席を見つけられるようになってきたため、前述の3ホールのように、全ブロックに座ったことがあるわけではありませんが、知りうる情報をすべて詰め込みました。これまでに行ったことのあるホールすべてについて書くと、あまりにも文字数が多くなりすぎるので、今回は前述の3ホールを除いた、首都圏大ホール編。2回以上行ったことのあるホールに絞りました。そして、それでも全然書き終わらないので、随時すこしずつホールを追加していきます……。

とにかく長いので、もくじからお目当てのホールに飛んでくださいね。

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東京文化会館

座席数訳2,300席の5階建ての大きなホール。オーケストラだけでなく、オペラやバレエも上演されます。こちらは超デッドなホールとして有名ですが、後述のNHKホールに比べるとややしっとりした響きに感じます。デッドというよりも、アコースティック、という感じでしょうか。大編成のオーケストラやオペラ(特に演奏会形式)を聴くと大変気持ち良いです。歴史ある建物で、エレベーターもエスカレーターもないため、4・5階席を取ると足腰が鍛えられる効果もある素敵なホールです。

個人的には1階前方か4階or5階バルコニーが好きです。

見え方については、公式サイトが詳しいです。座席割の参考として、東京都交響楽団のAシリーズ座席表もご参照ください。

大ホール | 東京文化会館
東京文化会館 | Tokyo Bunka Kaikan -- 東京文化会館は、「首都東京にオペラやバレエもできる本格的な音楽ホールを」という要望に応え、東京都が開都500年事業として建設し、1961(昭和36)年4月にオープンしました。以来...

1階席

最前列は、ステージの高さが高いので、やや首が辛い。
だいたいオーケストラはステージの奥の方に配置されるので、最前列でもそれほど音のバランスは気になりません。音量も十分ですし、最前列はすこし安いことも多いので、首さえ気にしなければわりと良い席だと思います。

オタク的には、このホールは舞台袖にスポットライトのような照明があり、指揮者やソリストが入場してくるときに、このライトをバックに出てくるのがめちゃくちゃ格好よくて大好きです。これはステージ付近の座席ならではのお楽しみですね。

最前列センターはステージが異常に近く、やや窮屈です……。通り抜けるのも大変なぐらいで、どうしてこんな構造になったんだろう……と毎回疑問に思います。

1階席の前方4~5列目にも座ったことがありますが、響き方はそれほど悪くなかったです。A席ならアリだと思いました。

来賓と思しき方々は、 1階20列あたりに座っていることが多い気がします。このエリアは取ったことがありませんが、音と視界のバランスはよさそうですね。

2階サイド

全席同額のときに取ってみましたが、二度と取ることはないでしょうね……、というぐらい印象が悪いです。ステージから遠く、3階席が屋根となっているためか、音が全然届きません。この響き、見え方でS席、A席はどうかと、、、

4、5階席サイドバルコニー

ステージから遠い割に音が良い。チケットは安いのに、解像度の高い、良い音で聴くことが出来るので、ひとまず聞いておきたい公演は100%ここの1列目を取ります。しいて言うと、4階は音の解像度、5階は迫力、という印象です。でもどちらも良いです。4階の方が若干視界が良いので、4階の通路側が空いていたら4階を取りますね。

ただ、めちゃくちゃ高い(高さが)うえに手すりが低いので、高所恐怖症の方は絶対に2列目以降にした方が良いです。私は特段高所恐怖症という訳ではないですが、人の前を通って自席に向かうときはいつもそれなりにビビってます……。

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NHKホール

客席数3400席の大規模な多目的ホール。
言わずと知れたNHK交響楽団の本拠地です。N響を推す者としては避けて通れないこのホール。クラシックコンサート専用のホールではないため、残響音は控えめの、超デットなホールですが、調子の良いときのN響(かつ16型や合唱付きの大編成のとき)はこのホールで聴くと本当に素晴らしいな、と思います。解像度が高く、充実した音がホール中に響く瞬間は、他のホールでは味わえない、なんとも言えない感動があります。クラシック音楽ファンからは酷評されがちなこのホールですが、私は結構好きだったりします。個人的にショスタコーヴィチの交響曲が似合うホールだな、と思っています。音の響き方やあのちょっと薄暗い雰囲気とか。

それと、全体的に段差がしっかりあるので、前の人がめちゃくちゃ大きいとかでない限り見やすさが保証されているのもポイント高しです。

とてもおおざっぱですが、公式サイトに見え方の参考写真があります。こちらもN響の座席表を置いておきますね。

NHKホール > 座席案内

NHK交響楽団 定期演奏会座席表

1階センター前方

音の迫力はやっぱりここだなあ、と思います。
ステージに近くはありますが、たいていステージ奥側にオケが配置されるので、最前列であってもそれほど音のバランスは悪くないです。ただ、木管はかなり埋もれますね……。かなりはっきりした音のN響フルート首席奏者、神田寛明さんの音ですら埋もれるので、結構厳しいと思いました。S席というにはちょっと……、という印象。

比較的段差がしっかりあるので見やすさは◎。
指揮者やソリスト目当てなら良い席だと思います。

1階サイド(A席のエリア)

個人的にNHKホールのコスパ最良エリアはこのブロック。ステージ近くということにこだわりがなければ、後述の3階バルコニーもおすすめです。

音と値段のバランスを考えたら、このA席ブロックの5列目以降のセンターブロック寄りエリアが最良ではないかな、と思います。

上述の1階センターも似たような響きに感じたので、ステージを正面から見ることにこだわりがなければ、すこしチケットが安いこのエリアがおすすめです。

ここだとあまりデッドなことが気にならない、充実した響きを楽しめる気がします。Cプログラム開演前の室内楽(小編成)も十分楽しめました。

管楽器や打楽器は相当見づらいですが、弦楽器奏者の隙間から見えなくもないぐらい。指揮者も近くで表情を見られるので楽しいです。

1階サイド(B席のエリア)

1階席、いちばん壁寄りのこのエリア。指揮者目当てならこの席は有です。

視界は非常に悪い(手前の弦楽器奏者は背中しか見えない、管楽器奏者はほとんど見えない)ですが、指揮者の表情がよく見えます。後方、もしくは通路側(A席側)の方が若干視界は改善されます。

このエリアは、意外にも音のバランスが悪くなくてびっくりしました!ステージの奥の方にオーケストラが配置される、ということも関係ありそうですね。直接音も多めなので、視界の悪さを気にしなければコスパは悪くないと思います。

2階サイドバルコニー

見え方はまあ良いです。全体を見るならやはり2階以上ですねえ。
音もそれほど悪くない。1階よりは若干音が薄く感じますが、デッドなホールならこんなもんかな、という程度で許容範囲です。サントリーホールのような残響多めのホールに慣れているときついかもしれません。

2階センター

思ったよりも音が飛んできませんでした……。見やすいけれど、ステージからは遠いし、うーんS席の割に……、という感じ。もう取ることはないでしょう。まあ、2階センターというものは、どこのホールでも値段の割に音がイマイチなことが多い座席な気がしますが……。

3階バルコニー前方

巷での噂によるとこのエリアがいちばんコスパが良いらしい。たしかに、見え方としては意外とステージが近く、聞こえ方も悪くない。十分な音量で、解像度の高い音を楽しめます。
双眼鏡(オペラグラス)はあると良いですが、なくても何となく奏者の表情は見えるレベルです。

3階後方サイド(L/R7列~14列)

このエリアは最安席ながら、意外と音が濃いですし、ppも意外にもしっかりと聞こえます(同じプログラムを1階席前方と、このエリアとで聴き比べたこと有り)。N響開演前の室内楽で、バーバーのAdagioを聴きましたが、Vn.郷古さんとVa.村上さんの繊細なppまで美しく聞こえました。とりあえず聴いておきたい公演や、おかわり公演はここを取ります。

段差もしっかりあるので、相当大柄な方が前に座らない限り見やすさもあり。

3階センターは取ったことがありません。バルコニー席よりもステージから遠いのに高いランクな時点で自分的に無し。サイドバルコニーはセンターブロックに比べて音のバランスが悪そうなイメージもありますが、これだけステージから離れれば、正直バランスもクソもありません。

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オーチャードホール

こちらもかなりデッドなホール。なかなか難しいホールです。コストと聞こえ方・見え方のバランスが取れていると思えるエリアがかなり少ないです。年末の東急ジルベスターコンサートに行ってみたいのですが、座席選択不可がネックで毎年断念しています……。

ステージの見え方は公式サイトが詳しいです。

座席表 | オーチャードホール
座席表のご案内。様々な文化を通して未来を創る。それがBunkamuraです。

東京フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会の会場でもありますので、座席割はこちらをご参照ください。

https://www.tpo.or.jp/information/pdf/naka-202110142oc.pdf

1階席

東京フィルの定期公演の振替で前方に座ったことがあります。ステージ全体はやや見づらいですが、音は十分届きますし、迫力があり良かったです。ただ、大体S席設定なので、ここを自分で取るかと言うと、……。

2階バルコニー

好きなのはここのL1列です。座席数が少ないですが、ステージがとても近く、指揮者や演奏者の姿がよく見えますし、音の密度も高い。ただこちらもS席の値段で取ろうと思うかは微妙なところです。指揮者やソリスト目当てだったらアリですかね。

3階バルコニー

個人的にはこのエリアがコスパはいちばんだと思います。音の充実度のわりに、値段が安く設定されていることが多いです。東フィルではA席設定ですね。ステージ全体的も見やすいです。

L1/R1列はステージ手前側がやや見づらいですが、オペラシティの3階バルコニー席などに比べたら全然見やすく許容範囲。

3階後方

たとえ安くてもこのエリアは避けたいですね……。音は全然飛んでこないし、当然ステージも遠く、あまり生で聴いているメリットが感じられませんでした。合唱付きなどの大編成であれば映えるかもしれませんが、基本的にはおすすめ出来ません。

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すみだトリフォニーホール

新日本フィルハーモニー交響楽団の本拠地。程よい残響音で、わりと音的なはずれ席は少ない気がします。

すみだトリフォニーホール 大ホール 座席表

新日本フィルハーモニー交響楽団 座席表

1階席

前方~中列ぐらいで聴いたことがあります。このあたりは音量も残響音もちょうどよく聴きやすいです。ここはステージの高さも低めなので、最前列でも身体がラク。

前方はやはりステージ後方(特に金管、打楽器)が見えづらいので、このあたりを間近で見たい方はステージ近くのバルコニー席を選びましょう。

3階サイドバルコニー

やや見切れがありますが、ステージ近くの席は指揮者もよく見えますし、迫力のある直接音を浴びられるので好きです。ステージからの高さもあるので、直接音多めながらややまろやかで聴きやすいです。

2階サイドバルコニーのおひとり様席も気になりますが、ややステージから離れる+競争率が高いので取ったことがありません……。

3階席センター

ステージから遠く、イマイチ音も届きにくいので、1回きりでやめました。でもこの辺りがお好きという方も見かけるので、直接音にこだわりが無ければ良いのかもしれません。

とんでもなく視力が良い方以外は、オペラグラスがあった方がよいと思います。

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ミューザ川崎シンフォニーホール

東京交響楽団の本拠地。とにかく音が良い!ヴィンヤード型のホールではいちばん好きかもしれません。豊かな残響音、と言えばそうなのですが、サントリーホールのような煌びやかさとはまた違う、もうすこし素直であたたかい響きに感じます。

JR川崎駅と直結でアクセスが良いのも嬉しいポイント。たまにおかしなお客さんがいてびっくりしますが、都内に比べてチケット料金が安いこともよくあるので、好きなホールのひとつです。

見え方については公式サイトが詳しいです。東京交響楽団の座席表を参考に置いておきます。

座席表|ミューザ川崎シンフォニーホール
ミューザ川崎シンフォニーホールの座席表案内。1997席のスパイラル構造の客席。ステージを360度取り囲むヴィンヤード形式を採用しています。

東京交響楽団 川崎定期演奏会 座席表

1階センター

ステージが低いので、オケが近くに感じられて面白いです。当然ながら音もかなり迫力があります。
ステージ全体は見えませんので、やはり指揮者やソリスト目的で取るエリアだと思います。

2階センター

まあ~良いですよ、ここの2階センターはS席でも文句無し。他のホールと比べて、2階センターでもステージが近く見やすいですし、直接音と残響音のバランスが良い。視界も良好なので、金に糸目を付けず、特にこだわりもなく、ということであればこのブロックは素直にオススメできます。

2階Aブロック

座席に傾斜があるので、気になる人は気になるかもしれません。バランスを崩して転んでしまうご高齢の方をお見掛けして助けに駆け寄ったことも一度ではありません……。それくらいの傾斜角です。自分も何度かよろけました……。若い方も気をつけましょう……。

それはそれとして、コスパ重視ならこのあたり。若干見切れがありますが、音のバランスがよく、特に直接音が好きな方にはおすすめです。

だいたいA席設定なので、私はこの辺りを取ることが多いです。直接音多めですが、ホールの音響設計のおかげか、ややまろやかな印象。音のバランスはベストとは言えませんが、すこし後ろの列(3~5列目あたり)になるとそれほど気になりません。いちばん後ろの列は3階席が被ってくるので、できれば避けたいところです。

P席

サントリーホールほど悪い印象はありませんが、やはりP席はP席。普段後ろから聞こえてくる金管楽器や打楽器の音が手前に聞こえる違和感がやっぱり苦手なので、好んで取るエリアではありません。

サントリーホールの記事にも書きましたが、小編成のアンサンブルやソロであればこの違和感が薄まるので、選択肢としてはアリ。チケット代も安いですし、プロの演奏を間近で見ることができますしね。

3階バルコニー

結構高さがあります。ステージの見切れも多いですが、その割には音がよい。けれど、ちょっと音が薄い印象。だいたい2階ステージサイドと同じ値段なので、直接音が好きな自分はあまり取ることはありません……。

以上、長くなりましたが、首都圏音楽ホール座席所感つめこみ記事でした!皆さまの座席選びの参考になれば幸いです。

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