オーケストラ沼にハマってから約2年になりました。まだまだ玄人の域には達しませんが、初めてオーケストラを聴きに行ったときのドキドキ感を忘れないうちに、同じく初めてオーケストラを聴きに行こうとしている方の不安をすこしでも解消できればと思い記事を書きました。初めてのオペラ鑑賞の記事は結構ありますが、意外とオーケストラの記事ってないのですよね。
チケットの取り方
まずはチケットを取るところから!
チケットを取る方法は複数ある場合がほとんどです。そのオーケストラやホールの事務局に電話や公式WEBサイト、チケットぴあなどの各種プレイガイドなどなど。たいていの場合、それぞれに座席が割り振られているため、どこで予約するかによって取れる座席が異なります。
主催がどこかによって、どこに多く座席が割り振られるかが変わってきます。基本的な方向性は下記のとおり。ご参考までに。
基本的に主催者の事務局or公式予約サイトであればほぼ間違いありません。手数料も無料or(プレイガイドに比べて)安いところが多いです。
ちなみに、同じオーケストラでも、電話とWEBサイトで、取れる座席が異なることがあります。東京フィルハーモニー交響楽団のWEBサイトなんかにはそのことが明示されていますが、明示されていないことがほとんどなのですよね……。
また、各種プレイガイドでは座席指定ができない場合でも、ホールの窓口に電話すると、座席を選べることがほとんどです。このことには最近になってようやく気が付きました……。もっと早く気が付きたかったですね……。なお、電話で予約する際は、座席表をお手元に用意しておくとスムーズです。
おすすめの座席
個人的に、はじめてオーケストラを聴くのであれば、いちばん安い席かステージに近い席がおすすめです。2年間、地方も含めいろいろなホールに行ってみましたが、座席選びは本当に難しいです。そのなかでも、ほぼ期待どおり(想像どおり)の音響でおすすめしやすいのが最安席とステージ付近の席です。
最安席
まずはオーケストラを生で聴いてみたい、というのであればやっぱり最安席。下手に下から2番目・3番目に安い席を選ぶよりも、いさぎよく最安席をおすすめしたいです。かく言うわたくしも、初めてオーケストラを聴きに行ったときは下から2番目に安い席を選んだのですが、微妙にステージから遠く、これならすこし後ろの最安席でも変わらないな、と後悔した人間です。
ひとまずオーケストラというものを体感するのであれば、最安席で十分。これで雰囲気や自分の好み(もうすこし直接音を感じたい、残響音が好きなど)を把握してから、次回の座席選びに生かす、というのが個人的には良いと思います。
ステージに近い席
生でオーケストラを聴く醍醐味はいろいろとありますが、やはりその迫力を間近で感じられる、といのが大きいと思います。となれば、最前列やサイドバルコニー席などのステージに近い席は、その醍醐味を十分に味わうことができます。座席によっては音のバランスが悪いですが、指揮者や楽団員の息遣い、音の迫力は凄まじいものです。
なお、サイドバルコニー席は視界が悪いことが多いので、事前に公式サイトなどで確認することをおすすめします。下にリンクした東京オペラシティのコンサートホールは、3階バルコニー席2列目の視界の悪さに絶望しました。
もし東京芸術劇場のコンサートホールやサントリーホールの大ホールに行こうとしているのであれば、下記の記事も参考になさってください。
服装
わたしが初めてオーケストラを聴きに行こう!と思ったときに、いちばん不安だったのは服装。結論から言うと、清潔感のある格好なら何でも大丈夫です。
公共のホールはよっぽど小汚い格好でなければ、どんな格好でも大丈夫。ジーンズにTシャツやサンダル、スニーカーでもまったく問題ないです。スウェット上下とかだと目立つかもしれませんが、それで入場を止められることもないと思います。まあこの記事を読んでいるような真面目な方はそんな格好では行かないとは思いますが……。
サントリーホールやオペラシティなどの私設ホールはそれなりに小綺麗な格好の方が良いかもしれません。建物自体がきらきらしているので。と言っても上述のとおり、清潔感があれば大丈夫。
わたしは仕事帰りのスーツ、ワンピースやオフィスカジュアル崩れみたいな格好が多いです。男性は、平日はスーツの方が多い印象。普通にカジュアルなジーンズの方もいらっしゃいます。
どんな格好か、ということはさほど深く考える必要はありませんが、素材には気を付けたいですね。意外と衣擦れの音は気になるもの。シャカシャカ鳴るジャンパーやダウンなどは控えるか、クロークに預けるのが良いです。
注意点
余裕をもってホールに到着しておく
開演の15分までにはホールに到着しておくのがおすすめです。はやめに行くとステージ上で音出しをしている楽団員さんもいらっしゃって、それを眺めているだけでも楽しいです。自分はだいたい開場時間と同時に入場することが多いです。
座席の位置が分かりづらかったり、お手洗いが大混雑していることもありますしね。息を切らしながら開演ギリギリに座席につく、というのはスマートではないので避けたいところ。余裕をもって入場し、プログラムに目を通しておくのが良い過ごし方だと思います。
音をたてないように
いちばん気を付けたいのは、演奏中に余計な音をたてないようにすること。携帯電話は電源を切るのは絶対。指揮者のバッティストーニさんも著書でこう言っていました。
携帯電話の着信音の破壊力は、キャンディの包み紙を剥く音の十倍です。モーツァルトの《レクイエム》の最後や、マーラーの《第九交響曲》のフィナーレのような部分で着信音が鳴り、しかもそれが〈ラ・クカラーチャ〉みたいな曲だったら、ホワイエで鞭打ちの刑にされても仕方ありません。
アンドレア・バッティストーニ/加藤浩子/入江珠代 『マエストロ・バッティストーニの ぼくたちのクラシック音楽』、音楽之友社、2017年5月、182p
鞭打ちの刑。おおこわい。当然、実際に鞭打ちの刑に処されることはありませんが、それくらい音には気を付けたいこと、ということで・・・。
ハンカチやオペラグラスなど、演奏中に使用するものはあらかじめ鞄から取り出しておきたいですね。
また、たまに荷物や傘などを手に持ったまま聴いている人がいますが、持ち直すときに必ず音が出ますし、落とすリスクもあるので絶対に荷物は足元に置きましょうね……。せめて膝の上、ですがやっぱり鞄に触れて音が出る可能性があるので、足元に置くのがいちばん良いです。
プログラムをめくるのも最低限に。プログラムは開演前に目を通しておきましょう。紙の音は案外気になるものです。
音についてはやや細かく書いてしまいましたが、これには理由がありまして。素敵な演奏会を形成する要素はオーケストラはもちろんですが、観客の協力もあってこそ最高の演奏会になると思っているのです。わたしたち一人ひとりが雑音などに配慮することで、ステージも客席も、全員が演奏に集中できる空間を作れるのです。
拍手のタイミング
これも最初は勝手が分からずどきどきしました……。
基本的には、
- 指揮者が腕を下すまでは拍手をしない
これだけ押さえておけば大丈夫。あとは周りの方々に合わせておけば何とかなります。残響音が鳴っているにも関わらず、フライングで拍手をすることだけは本当に顰蹙をかうので避けましょう……。どこかのオーケストラも、開演前に音楽の余韻を十分に味わってから拍手を、ということをアナウンスしていました。
寝ちゃったらどうしよう……
安心してください!寝ても何も問題ありません!!
さすがにずっとガクガクしている、大きないびきをかく、隣の人にもたれかかる、など周囲に影響が出るような事態はNGですが、すこしうとうとするぐらいであれば全く問題ありません。わたしもたまに意識がとんでいることがあります……。平日夜公演などは疲れきっていることもありますしね……。
以上、わたしが初めてオーケストラを聴きに行った際に気になっていたことを中心に書いてきました。なにか気になることがあればお気軽にコメントください。みなさまの初めてのオーケストラ鑑賞が良き時間となりますように。オケ沼は楽しいぞ!
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